太陽光発電、倍増も 国の補助制度が後押し

 国の補助制度の復活で、一般家庭向け太陽光発電システムの設置が急増しそうだ。世界同時不況の打撃を受けたメーカー側も、「特需」を業績回復の足がかりにする考えだ。ただ、天候に左右される太陽光発電が増えると電力システムが不安定になる可能性もあり、こうした欠点を補う技術開発も加速している。

脱「高値の花」

 東京ビッグサイト(東京・有明)で24〜26日に開かれた住宅関連展示会で、「太陽光発電」コーナーがにぎわった。「国の補助制度の復活で『高値の花』のイメージが薄れた」からだという。
 国の補助制度の審査窓口である太陽光発電普及拡大センターによると、国が補助を再開した1月13日から、3月末までの2か月半だけで申請件数は2万2501件。2007年度に一般家庭で太陽光発電を設置した約5万件の約半分に達する勢いだ。09年度の設置件数が9万2000件に倍増するという業界予想もある。
 太陽電池パネルを製造する大手電機メーカーも、特需を逃すまいと増産体制を整えている。
 京セラは滋賀県野洲市に新工場を建設し、太陽電池パネルの生産量を2倍に増やす。シャープは、大阪府堺市に新工場を建設中で、三洋電機も大阪府貝塚市の工場を拡充する。

課題

国内の太陽光発電の出力は07年末で191・9万キロ・ワットだった。政府は新経済成長戦略で、20年までに太陽光発電の規模を 20倍に増やす計画を盛り込んだ。10年度には電力会社が太陽光発電の余剰電力の買い取り価格を現在の1キロ・ワット時あたり24円程度から50円程度に引き上げる制度も始まる見通しだ。
 だが、天候に左右される太陽光発電の売電が増えると、電力会社が供給する電力が不安定になる恐れもある。このため、NAS(ナトリウム硫黄)電池などに蓄えてから放電したり、電力が余った地域と不足した地域の需給を調整する次世代電力網の研究などが、官民で本格化している。

                  ABDCE
                                    大阪支店
                  大阪市西区立売堀2丁目3番8号
                TEL(06)6541−1331/FAX(06)6541−1778
     URL:http://www.nagara.co.jp
         姫路支店・京滋支店・北九州支店・博多営業所